工具鋼・金型材料
工具鋼・金型材料
工具鋼・金型材料とは

金属、非金属材料の切削、塑性加工等を行なう工具ならびに治具に用いられる素材で、強度と耐衝撃性、耐摩耗性に優れている鋼です。

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DHA−HS1

DHA-HS1

DHA-HS1は、高温に加熱した鋼板を金型でプレス成形するホットスタンピング工法に適した金型用鋼です。熱伝導率が高いため金型の冷却時間短縮を通じて生産性向上に寄与すると同時に、軟化抵抗が高いため金型寿命の向上も期待できます。ホットスタンピング工法を用いたプレス製品のトータルコスト低減に貢献します。

背景

環境問題を背景として、自動車の燃費向上を目的に車体部品の軽量化が加速しています。そのため、ホットスタンピング工法を用いて製造する、引張り強さが1GPaを超える超ハイテン材(超高張力鋼板)の車体部品が増加しています。そこで、ホットスタンピング向け金型用鋼として、加熱した鋼板の熱を効率的に冷却できる高熱伝導率の鋼材を開発しました。

ホットスタンピング工法とは

通常のプレス工法が室温で鋼板を成形するのに対して、ホットスタンピング工法は高温に加熱した鋼板を金型でプレス成形し、成形中に鋼板を急速冷却することにより高強度を獲得するのが特長です。

ホットスタンピング工法の説明画像

鋼種名

DHA−HS1

特長

化学成分の最適化により、高熱伝導率と熱間での優れた耐摩耗性を兼ね備えた「ホットスタンピング向け金型用鋼」です。生産効率向上および金型寿命向上に貢献します。

特徴1 高熱伝導率 特徴2 高硬度 特徴3 高軟化抵抗

※実用硬さ

高熱伝導率 高い冷却効率

室温で約36(W/m・K)が得られ、金型冷却時間や鋼板冷却時間の短縮に貢献します。

熱伝導率

熱伝導率のグラフ画像
寸法
:Φ10mm×2mm
測定法
:レーザーフラッシュ法
焼入れ
:1030℃ - ガス冷却(6bar)
硬さ
:DHA-HS1 : 54HRC
SKD61   : 50HRC

実機試験結果

実機試験結果の画像

(試験方法)
2種類の金型材料を並べて配置し、成形直後の温度を測定

(試験条件)

成形サイクル
:3.0spm
下死点保持時間
:6.0秒
成形開始鋼板温度
:約850℃
冷却水温度
:約18℃
水管位置
:金型表面から約10mm

高硬度 安定した焼入性

最高 54HRCが広い焼戻し温度範囲で得られます。表面処理にも対応可能です。

焼入焼戻し硬さ

焼入焼戻し硬さのグラフ画像
寸法
:10×15×20 mm
焼入れ
:1030℃ - ガス冷却(6bar)

断面硬度分布

断面硬度分布のグラフ画像

DHA-HS1模擬型(約130kg)

断面硬度分布の図
焼入れ
:1030℃ - ガス冷却(6bar)
焼戻し
:560℃×1h×2回

高軟化抵抗 優れた耐熱性

高温の鋼板が接触することによる軟化低減に貢献します。高い耐熱性により金型寿命向上が期待できます。

軟化抵抗

軟化抵抗のグラフ画像
寸法
:10×15×20 mm
焼入れ
:1030℃ - ガス冷却(6bar)

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